天神茶(甘茶)とは
*天神茶(甘茶)とは
甘茶(あまちゃ)は、ユキノシタ科で、アジサイに似た高さ 80センチほどの落葉樹です。その若い葉を蒸して揉み、乾燥させると、甘味が出ることから、古くから甘味料として使われてきました。本州の山中に稀に自生していますが、主に長野、岩手、鳥取でしか栽培されておらず、ほとんどが契約栽培。年間消費量は約50トンほど。
*甘茶の歴史
お釈迦様の誕生日と伝えられる4月8日には、潅仏会(花祭り)が行われ、各地の寺院では釈迦像に甘茶をかける行事が行われています。
甘茶を潅仏会に使ったり飲用にする習慣は江戸時代からと言われており、江戸後期の本草学者 小野蘭山の『本草綱目啓蒙』には、アマチャの漢方名として「土常山」をあてています。
*甘味の正体、フィロズルチン
生のアマチャの葉は、噛むと苦くて甘味はありませんが、発酵させると甘味がでます。生葉には、グルコフィロズルチンが含まれていますが、これには甘味がなく、 発酵すると酵素により加水分解をうけてイソクマリン系化合物フィロズルチンになります。
フィロズルチンは、サッカリンの2倍、砂糖の1000倍の甘さがあり、低カロリーのため、糖尿病や肥満症の人の砂糖代わりの甘味料として用いられます。
滋養有効成分であるイソクマリンの威力に、現代薬学も脱帽しています。
虫歯、歯槽膿漏をおこすバイ菌の繁殖を抑えるパワーが強力で、口にふくむだけで歯病の予防になります。
また、アレルギーを抑えるから、アトビー皮膚炎、発疹アレルギーなどの体質改善にもいい。
生薬としては、抗アレルギー作用にも効果を有します。 (日本薬局方に収載)